若宮病院精神科デイケア 若者プログラム『wakka』ってなに?

デイケアを見学された方から「けっこう年上の方が多いですね」というお言葉をいだだくことがあります。当院にある『児童思春期デイケア エスカリエ』は20歳未満の方を対象としており、20歳を超えると当デイケアの対象ということになります。ですが、実際20歳の方と70代の方が同じ活動を楽しむには無理がありますよね。そこで、2018年9月、若い方も通い易くなるようにと若者プログラム『wakka』を立ち上げました。若者、若宮、輪っかから『wakka』と命名しました。
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一般の精神科デイケアと何が違うの??

若宮病院精神科デイケアでは、最年少の20歳から最高齢の79歳までの方が通所されています。1日の通所者数は50人前後となっており、年齢層が幅広く、利用人数も少なくありません。集団が得意じゃない方にとっては多いと感じることでしょう。一方で『wakka』は、対象年齢を20歳から49歳までと定め、所属人数も数名であるため、青壮年層の集団のグループといえます。同年代の方が多く、且つ小集団の集まりである為、同じ趣味からの交流のきっかけが生まれやすかったり、感情や経験を共感出来やすいなど交わりの場といえます。
目標は人それぞれですが、生活リズムを整えたい(健康維持の場)、居場所が欲しい(交流の場)、復学・就労したい(社会復帰の場)という目的で利用されています。一般の精神科デイケアに比べて、より社会復帰支援や就労支援に特化したグループ構成といえます。
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どんなプログラムをしているの?

 『wakka』は、居場所コースと就労コースの2コースに分かれています。
居場所コースでは、ヨガ・ストレッチ・ピックルボールなど運動を多く取り入れています。ゲーム、マインドフルネス、季節の創作活動など主体的なプログラムも行っています。活動しながらその後の目標を考えていきます。
就労コースでは、認知機能の改善に力を入れており、パソコンを使用したVCAT-J、認知機能バランサーというプログラムがあります。また、MCTプログラムでは、客観的に自分自身を見ることや、考え方の幅を広げるトレーニングを行っています。コミュニケーションスキルの向上を目指したアサーションでは、生活の中で上手くいかなかった経験を振り返り、修正しながら一緒に考えていきます。
※VCAT-Jについては後日ご説明します。

テーブルゲーム
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ピックルボール(詳しくはインスタグラムをご覧下さい)
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タスポニー(詳しくはインスタグラムをご覧下さい)
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『wakka』の卒業生は今・・・

wakkaの卒業生は、2023年1月16日現在で、延べ28名になります。卒業された方の現在は、就労継続支援B型・A型事業所を利用されたり、アルバイト、障がい者雇用、一般就労で働いている方など様々です。必要時、就労支援事業所や支援機関と連携し、ご本人様をサポートしたり、ご自宅に伺って近況を確認する訪問看護なども実施しております。卒業したからといって関わりがなくなるわけではありません。またwakkaを卒業した後も気分転換や運動を目的に通所を継続する方もいらっしゃいます。皆さんにとってデイケアが良い息抜きの場となっていれば幸いです。
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